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スシローアルバイトストライキの真相:なぜストは起こり、今後はどうなる?スト破り!社員で営業!

2025.03.20

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近年、人気回転寿司チェーン「スシロー」の一部店舗でアルバイト従業員によるストライキが発生し、大きな話題となっています。この労働争議は、従業員の賃上げ要求と会社側の対応を巡るもので、多くの人々の関心を集めています。背景には、労働組合「回転寿司ユニオン」による賃金引き上げの要求があり、スシローの経営陣との間で交渉が行われています。

このような大手チェーン店でのストライキは、その企業の内情や労働環境に対する疑問を投げかけると同時に、日本の労働問題の一側面を示唆していると言えるでしょう。スシローという多くの人が利用する身近な存在で起こった出来事であるため、その理由や現状、そして今後の展開について詳しく見ていくことは、社会全体にとっても重要な意味を持ちます。会社側が交渉中であると発表している現状を踏まえ、本稿では、このスシローのアルバイトストライキについて、その背景から今後の見通しまでを詳細に解説します。

なぜスシローのアルバイトはストライキをしているのか?

今回のスシローにおけるアルバイトストライキの最大の理由は、時給の大幅な引き上げ要求です。「回転寿司ユニオン」は、パート・アルバイト従業員の時給を現在の1000円から1200円〜1500円以上へと引き上げるよう求めています。特に、宮崎県宮崎市の宮崎恒久店では、現行の時給1000円に対し、1200円以上の賃上げが要求されています。

組合側の主張によれば、現在の時給1000円は、宮崎県の最低賃金が昨年10月から952円であることを考慮しても依然として低い水準にあり、宮崎市内の他の飲食店と比較しても50円安く、近隣の同業他社と比べれば100円も低いと指摘されています。

ストライキに参加した従業員からは、長年の勤続にもかかわらず昇給額がわずかであったり、物価高騰の中で現在の賃金では生活が困難であるといった切実な声が上がっています。例えば、愛知県弥富市のイオンタウン弥富店で働く従業員は、時給1150円では物価高に対応できず、食事も白米にふりかけのみで済ませることがあると訴えており、この店舗では時給1300円以上の引き上げが求められています。

これらのストライキを主導しているのは、回転寿司チェーンで働くアルバイトやパート従業員で組織された労働組合「回転寿司ユニオン」です。同組合は首都圏青年ユニオンの回転寿司分会に属し、全国31の労働組合が参加する「非正規春闘」の一環として、スシローを含む複数の企業に対して賃上げを要求しています。

スシローに対しては、今年1月10日に7店舗の従業員を対象とした賃上げ要求書が提出されました。しかし、会社側からの回答は「ゼロ回答」であり、その後も交渉は行われたものの賃上げに関する進展が見られなかったため、3月16日に宮崎恒久店で最初のストライキが実施されるに至りました。

スシローの現在の賃金水準が、地域の最低賃金や競合他社の水準と比較して低いことは、従業員が不当な低賃金と感じる根拠となっています。客観的な市場価格とのずれが従業員の不満を高め、ストライキという行動につながったと言えるでしょう。

また、長年の勤務に対する低い昇給額や、物価高騰による生活苦といった個々の状況が、賃上げ要求の切実さを物語っています。これらの声は、単に賃金の問題だけでなく、従業員が企業から適切に評価されていないという感情をも示唆しており、会社と従業員との関係における課題を浮き彫りにしています。

さらに、「非正規春闘」という広範な労働運動の中で今回のストライキが発生していることは、スシローだけの問題ではなく、日本全体の非正規雇用労働者が共通して抱える賃金や労働条件への不満が背景にあることを示しています。スシローの対応は、他の外食チェーンや非正規雇用を多く抱える企業にとっても、今後の労使関係を考える上で重要な事例となり得ます。

スシローの営業は現在どうなっている?

ストライキが発生しているにもかかわらず、スシローは影響を受けた店舗で通常営業を続けています。その背景には、会社側が他の店舗から従業員を派遣し、ストライキに参加していない従業員と共に店舗運営を行っている事情があります。例えば、宮崎恒久店では、ストライキ当日に通常の半数程度の人員しかいなかったため、県内外の店舗から応援の社員が派遣され、接客業務などにあたりました。

この会社側の対応に対し、「回転寿司ユニオン」は強く反発し、「スト破り」として非難しています。ユニオンは、公式X(旧Twitter)を通じて会社側の行動を批判しています。

一方、スシローの運営会社である FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)は、取材に対し「現在団体交渉中であり、誠心誠意対応しております。従い、現時点でお話しできる内容はございませんので、ご理解の程お願いいたします」とコメントしています。

外食チェーンの関係者によれば、運営会社側としては、店舗の休業が顧客への迷惑につながり、寿司店という特性上、食材の廃棄ロスも発生する可能性があるため、顧客へのサービス継続を最優先に考えた結果、今回の判断に至ったといえます。また、ストライキに参加していない従業員の労働機会を確保するという側面もあったようです。

労働問題に詳しい山岸純弁護士は、ストライキは憲法で保障された権利である一方、会社側にも営業の自由があり、ストライキ中の従業員の代替として他のスタッフで店舗を運営することは法的に問題ないと指摘しています。むしろ、店舗を閉鎖するロックアウトなどの強硬手段よりも「優しい」対応と見る向きもあります。

スシローがストライキ中の店舗で営業を継続することは、顧客への影響を最小限に抑え、売上維持への強い意志を示しています。しかし一方で、労働組合との対立を深め、従業員の士気低下を招く可能性も否定できません。迅速な人員配置は事業継続への意志の表れですが、組合側からは労働者の権利軽視と受け止められています。

会社側の「団体交渉中」という公式コメントは、事態の沈静化と対話による解決を目指す姿勢を示していますが、具体的な進展が見られなければ、組合側の不満はさらに高まる恐れがあります。

今後どのような展開が予想されるのか?

今後のスシローのアルバイトストライキの展開を予測する上で最も重要なのは、会社と「回転寿司ユニオン」との団体交渉の行方です。次回の交渉は3月25日に予定されています。

現時点では、会社側は賃上げ要求に対して明確な回答を示しておらず、組合側は次回交渉でゼロ回答が続くようであれば、さらなるストライキも辞さない構えを見せています。

今回のストライキは、全国31の労働組合が参加する「非正規春闘」の一環として行われているため、その動向は他の業界にも影響を与える可能性があります。スシローの労働争議の結末は、非正規雇用労働者の待遇改善に向けた全体の動きの試金石となるかもしれません。

また、「回転寿司ユニオン」は過去の交渉でも実績を上げており、2023年にはスシローヤエチカ店で時給を1200円から1400円に引き上げることに成功しました。しかし、2024年の賃上げ幅は50円程度にとどまる店舗が多く、会社側は大幅な賃上げに慎重な姿勢を示しているといえます。

3月25日の交渉が事態打開の鍵となるでしょう。もしスシロー側が組合の要求に応じた大幅な賃上げ案を提示すれば、ストライキは終結に向かう可能性がありますが、会社側が強硬な姿勢を崩さなければ、組合は予告通りさらなるストライキを実施し、事態が長期化する恐れがあります。

「非正規春闘」という大きな流れの中で、スシローの労働問題がどのように解決されるかは、他の企業や労働組合にとっても注目すべき点です。スシローの事例は、今後の非正規雇用労働者の待遇改善の方向性を示す重要な指標となる可能性があります。

専門家による法的な見解:ストライキの合法性と影響

日本の憲法第28条は労働者の団結権を保障しており、ストライキは正当な権利として認められています。ただし、その行使には一定の条件があり、会社側との十分な協議の上、労働組合の決定に基づいて行われる必要があります。

一方、ストライキ中に会社側が代替の労働力を確保し営業を継続する「スト破り」行為は、法律上明確に禁止されているわけではありません。しかし、労働組合との団体交渉を拒否し、ストライキの切り崩しのみを目的として行われた場合、争議権や団結権の侵害とみなされる可能性があります。

また、ストライキが手続き上の不備や目的の不正当性により違法と判断された場合、組合は会社に対して損害賠償責任を負う可能性もあります。企業側も、正当なストライキに参加した従業員に不利益な扱いをしたり、組合加入や支持を妨げる不当労働行為を行うことは禁じられています。

今回のスシローのストライキは、多くのメディアで報道され、SNS上でも議論の的となっています。顧客の中には、スシローの成功が従業員の低賃金の上に成り立っているのではないかと懸念し、今後の利用を再考する声も上がっています。また、ストライキ中に通常営業を続ける会社の姿勢に失望し、労働者の権利を尊重すべきだとする意見も見受けられます。

スシローがストライキ中に営業を続けることは法的に問題がないとしても、その対応は企業のイメージや顧客評価に影響を与える可能性があります。近年、企業の社会的責任(CSR)への関心が高まる中、従業員の待遇に対する姿勢は、顧客の購買行動に影響を与える要因のひとつとなり得ます。

さらに、回転寿司ユニオンはメディアを積極的に活用し、ストライキの状況や会社側の対応を公にすることで、世論を味方につけようとする戦略を取っています。

日本の労働法は、労働者の権利を保障しつつも企業活動を保護するよう設計されています。今回のスシローの事例は、労働者の権利と企業の営業の自由とのバランスがいかに取られるべきかという、現代社会における重要な課題を提起しています。

まとめ

スシローの一部アルバイト従業員によるストライキは、低賃金に対する不満と、労働組合「回転寿司ユニオン」による賃上げ要求が主な原因です。会社側は他店舗からの人員派遣により営業を継続していますが、組合側はこれを「スト破り」として強く批判しています。会社は団体交渉中との公式見解を示しつつも、3月25日に予定されている次回交渉が今後の展開を大きく左右する可能性があります。要求が受け入れられない場合、組合はさらなるストライキも辞さない構えであり、この労働争議は「非正規春闘」という全国的な労働運動の一環として大きな注目を集めています。専門家は、ストライキは憲法で保障された権利である一方、代替人員による営業継続は法的に問題ないと指摘するものの、その対応が企業イメージや顧客評価に与える影響については今後も注視する必要があると述べています。

店舗別時給・賃上げ要求

店舗名都道府県現在の時給 (円)要求時給 (円)要求増加率 (%)
宮崎恒久店宮崎県10001200以上20以上
吉野川店徳島県1050不明ベースアップ
ヤエチカ店東京都1200140016.7
吉祥寺パルコ店東京都不明不明不明
仙台中山店宮城県不明不明不明
イオンタウン弥富店愛知県11501300以上13以上
その他7店舗全国不明1200〜1500以上不明

会計年度別業績

会計年度/期売上収益 (億円)前年比 (%)営業利益 (億円)前年比 (%)親会社の所有者に帰属する当期利益 (億円)前年比 (%)
2024年9月期361119.7233112.614681.9
2025年9月期第1四半期99115.99556.46188.2
2025年9月期(予想)408013.026011.21502.5

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この記事を書いた人

研究所所長

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