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日本一危険な動物園「ノースサファリサッポロ」閉園するらしい。なぜ?いつ閉園か?

2025.02.01

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北海道札幌市南区にある「ノースサファリサッポロ」に対し、札幌市が除却命令を出す方針を固めたと2025年2月1日に報じられました。事実上の閉園命令になるとのことです。「日本一危険な動物園」として知られるこの施設の閉園は、多くの人々に衝撃を与えています。本記事では、ノースサファリサッポロの特徴、閉園の理由、そして今後の展望について詳しく解説します。

ノースサファリサッポロとは

ノースサファリサッポロは、2005年に北海道札幌市南区豊滝にオープンした体験型ふれあい動物園です。一般的な動物園とは異なり、来園者が動物に直接触れたり、至近距離で餌やりができる体験型アトラクションが特徴でした。

この動物園の最大の特徴は、来園者と動物との距離の近さでした。トラやライオンなどの猛獣と間近で接することができ、まさに「体験型」を体現した施設でした。また、アザラシとの宿泊体験など、他の動物園では体験できないようなユニークなアトラクションも提供していました。

なぜ「日本一危険な動物園」と呼ばれたのか

ノースサファリサッポロが「日本一危険な動物園」と呼ばれるようになった理由は、主に以下の3点です。

1.動物との距離の近さ: 来園者が猛獣と至近距離で接触できるという点が、最大の特徴であり、同時に最大のリスクでもありました。
2.安全管理の不備: 動物との接触に関する安全対策が不十分であるという指摘が多くありました。
3.自己責任の強調: 園側は「100%安全な動物園はありえない」という立場を取り、来園者の自己責任を強調していました。

これらの要因により、ノースサファリサッポロは「スリル満点」「危険」というイメージを持たれるようになりました。しかし、この「危険」というイメージは、一部の来園者にとっては魅力的な要素でもあり、話題性を集める要因ともなっていました。

閉園の理由

ノースサファリサッポロの閉園には、複数の要因が絡んでいます。主な理由は以下の通りです。

1.無許可営業: 驚くべきことに、ノースサファリサッポロは20年間にわたって無許可で営業を続けていました。札幌市は何度も指導を行いましたが、改善が見られなかったため、最終的に閉園命令を下すに至りました。

2.動物福祉の問題: 動物たちのストレスや健康被害が指摘されていました。特に、猛獣への餌やりや、アザラシとの宿泊体験などが、動物たちの生活リズムを崩し、健康に悪影響を与えているという懸念がありました。

3.安全管理の不備: 来園者が猛獣と至近距離で接触するリスクが高く、安全面での懸念が大きかったです。

4.市民からの苦情: 2023年には500件以上の苦情が寄せられ、SNSでは「動物虐待ではないか」という声が拡散され、大きな批判を浴びることとなりました。

5.法改正と意識の変化: 2022年の動物愛護法改正により、飼育環境の厳格化や動物虐待に対する罰則が強化されました。また、市民の動物福祉に対する意識も高まっており、これらの社会的変化も閉園決定に影響を与えたと考えられます。

閉園の時期と今後の展望

ノースサファリサッポロは2025年2月1日に除却命令について報じられました。しかし、実際の営業終了は決まっていません。

園の公式ウェブサイトによると、2025年の営業スケジュールは以下のようになっています:

・2025年1月5日〜1月19日:通常営業(平日・土日祝:10:00〜16:00)
・2025年1月20日〜3月23日:平日休園、土日祝のみ営業(10:00〜16:00)
・2025年3月24日〜4月24日:全施設休園

このスケジュールを見ると、実質的な営業終了は2025年3月23日以降となる可能性が高いです。

閉園後の動物たちの行き先については、現時点で詳細な情報は公開されていません。しかし、多くの場合、閉園する動物園の動物たちは他の動物園や保護施設に移送されることが一般的です。ノースサファリサッポロの場合も、動物たちの福祉を考慮しつつ、適切な移送先が検討されているものと思われます。

この閉園が業界に与える影響

ノースサファリサッポロの閉園は、日本の動物園業界に大きな影響を与えると予想されます。

1.規制の強化: 札幌市は、この事件を受けて動物園の運営に関する規制を強化する方針を示しています。具体的には、無許可営業の取り締まり強化、動物福祉を考慮した飼育基準の導入、観光と安全のバランスを取る新基準の策定などが検討されています。

2.業界全体の見直し: この事件を契機に、他の動物園や水族館も自らの運営方針や安全対策を見直す動きが出てくる可能性があります。特に、動物とのふれあいを売りにしている施設は、より厳格な安全管理や動物福祉の基準を設ける必要に迫られるかもしれません。

3.動物福祉への意識向上: 一般市民の間でも、動物園における動物の扱いや福祉について、より深い議論が行われるようになると予想されます。これは長期的に見て、日本の動物園全体の質の向上につながる可能性があります。

4.新たな動物園のあり方の模索: 「体験型」や「ふれあい」を重視するノースサファリサッポロのような施設の閉園は、動物園の新たなあり方を考えるきっかけとなるでしょう。今後は、動物の福祉と来園者の体験をいかにバランスよく両立させるかが、重要な課題となります。

5.観光への影響: ノースサファリサッポロは北海道の観光スポットの一つでもありました。その閉園は、地域の観光業に一定の影響を与える可能性があります。一方で、これを機に、より持続可能で倫理的な観光のあり方を模索する動きも出てくるかもしれません。

ノースサファリサッポロの閉園は、単に一つの施設が姿を消すということにとどまらず、日本の動物園業界全体に大きな波紋を投げかけています。この出来事を通じて、私たちは動物との共生のあり方、そして動物園の本来の役割について、改めて考える必要があるでしょう。

動物園は、単なる娯楽施設ではありません。それは、動物の保護や種の保存、環境教育など、重要な社会的役割を担っています。ノースサファリサッポロの閉園を一つの転機として、より良い動物園のあり方、そして人間と動物のより良い関係性を模索していく必要があります。

今回の事件は、私たち一人一人に「動物園とは何か」「動物との適切な距離感とは何か」を問いかけています。これらの問いに真摯に向き合い、議論を重ねていくことで、より良い未来の動物園の姿が見えてくるのではないでしょうか。

ノースサファリサッポロの閉園は確かに残念なニュースですが、同時に、日本の動物園業界にとって大きな転換点となる可能性を秘めています。この機会を活かし、動物たちにとっても人間にとっても、より良い共生の形を探っていくことが、私たちに課された課題なのかもしれません。

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この記事を書いた人

研究所所長

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