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普通の風邪を5類感染症に厚労相が省令改正。来春施行される。パブリックコメントでは反対意見多数
2024.12.01
普通の風邪が5類感染症に指定されることで、以下のような変化が予想されます。
5類感染症指定の概要
厚生労働省は普通の風邪を5類感染症に指定する省令改正を行い、来年4月7日から施行されることが決定しました。
これにより、風邪は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や季節性インフルエンザと同様の扱いとなります。5類感染症に指定されることで、以下の変更が生じます。
1.流行状況の届出・監視(サーベイランス)・発表の対象となる
2.「特定感染症予防指針」に位置付けられる
3.風邪を予防するワクチン開発が可能となる
医療機関への影響
5類感染症指定により、医療機関では以下の変化が予想されます:
1.指定医療機関による届出が必要となる
2.定点把握の対象となる
3.検体採取や検査の実施が増加する可能性がある
医療機関の負担増加を懸念する声もあり、パブリックコメントでは「サーベイランスにかかる費用や、医療機関の負担が増えることから反対」という意見が寄せられています。
普通の風邪が5類感染症に指定されることで、医療機関や保健所には以下のような負担が増えると予想されます。
医療機関の負担増加
1.サーベイランス業務の追加
医療機関は風邪の流行状況を把握するため、定点把握の対象となる可能性があります。これにより、風邪患者数の報告や統計処理などの業務が増加します。
2.検査実施の増加
風邪の原因ウイルスを特定するための検査実施が増える可能性があります。これにより、検体採取や検査実施に関する業務負担が増加します。
3.診療体制の調整
風邪患者の増加に伴い、診療体制の見直しや調整が必要になる可能性があります。特に感染症対策を考慮した診療スペースの確保などが求められる可能性があります。
4.感染対策の継続
マスク着用や手指消毒など、基本的な感染対策を継続する必要があり、これらの対策に関する業務や費用負担が続きます。
保健所の負担増加
1.サーベイランス業務の拡大
風邪を含む5類感染症の流行状況の監視や発表業務が増加します。これにより、データ収集、分析、報告書作成などの業務負担が増えます。
2.情報提供の強化
一般市民や医療機関に対して、風邪の流行状況や予防対策に関する情報提供を行う必要があり、広報活動や相談対応の業務が増加する可能性があります。
3.クラスター対応の継続
高齢者施設等での風邪のクラスター発生時の対応が必要となる可能性があり、これらの業務負担が継続します。
4.研修や指導の実施
医療機関や施設に対して、風邪を含む5類感染症対策に関する研修や指導を行う必要が生じる可能性があり、これらの業務が新たに加わる可能性があります。
これらの負担増加に対応するため、医療機関や保健所では人員配置の見直しや業務効率化が求められる可能性があります。また、風邪の5類感染症指定に伴う具体的な運用方針が今後示されることで、より詳細な対応が必要になると考えられます。
学校・職場への影響
5類感染症指定による学校や職場への直接的な影響は明確ではありませんが、以下のような変化が考えられます。
1.感染症対策の見直し
・マスク着用や手指衛生などの基本的な感染対策は継続される可能性が高い
・職場では、室内でマスクを着用している場合でも、会話を短く切り上げるなどの対応が望ましいとされている
2.健康管理の強化
・職員に対する毎日の検温等の健康管理が継続される可能性がある
・体調不良時の対応方針が明確化される可能性がある
3.環境整備
・受付における感染予防策(遮蔽物の設置等)が継続される可能性がある
・人と人との距離を保つための措置が継続される可能性がある
4.出席停止や休暇制度の見直し
・風邪症状がある場合の出席停止や休暇取得に関する指針が変更される可能性がある
5.ワクチン接種の推奨
・将来的に風邪ワクチンが開発された場合、職場や学校での接種推奨が行われる可能性がある
一般市民への影響と対応
5類感染症指定により、一般市民の日常生活にも影響が及ぶ可能性があります。
1.感染症対策の継続
・手洗い・手指消毒の徹底が引き続き重要となる
・マスク着用に関しては、状況に応じた判断が求められる可能性がある
2.医療機関受診時の変化
・発熱患者への対応として、事前に電話での受診相談を行う、または対応できる医療機関へ紹介される可能性がある
・風邪症状がある場合、指定医療機関での受診が推奨される可能性がある
3.情報収集の重要性
・風邪の流行状況に関する情報が定期的に発表されるようになるため、これらの情報を参考にした行動が求められる可能性がある
4.ワクチン接種の選択肢
・将来的に風邪ワクチンが開発された場合、接種を検討する機会が増える可能性がある
5.社会的な認識の変化
・風邪を5類感染症として扱うことで、感染症に対する社会全体の意識が変化する可能性がある
6.換気の重要性
・一般家庭でも換気の工夫が求められる可能性がある
7.社会福祉施設や医療機関での面会
・面会制限が緩和される可能性があるが、施設や機関ごとの判断が必要となる
8.子どものマスク着用
・子どものマスク着用に関する指針が変更される可能性がある
これらの変更は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行後の対応を参考に、段階的に実施される可能性があります。
普通の風邪の5類感染症指定に関しては、パブリックコメントで3万件を超える意見が寄せられ、その多くが反対意見だったとみられています。しかし、厚生労働省は省令改正を決定し、来年4月7日からの施行を予定しています。
この決定に関しては、医療機関の負担増加や過剰な監視体制への懸念など、さまざまな議論が続いています。
今後、具体的な運用方針や対策が示されることで、学校、職場、医療機関、そして一般市民の日常生活にどのような影響が及ぶのか、より明確になっていくと考えられます。市民一人ひとりが、この変更の意味を理解し、適切な感染症対策を継続しながら、新しい制度に適応していくことが重要となります。同時に、医療機関や公衆衛生当局は、増加する業務負担に対応しつつ、効果的な感染症監視と予防策の実施に取り組むことが求められます。
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